観光客の影響
前述の通り、観光客の影響が出てきているのです。ビジネスホテルは、基本的にサービスは最低限にとどめられ、価格を抑えていますから、「観光はしたいが、あまりお金はかけたくない」という観光客にとって大きな訴求力になっているのです。家族旅行や観光で、ビジネスホテルに宿泊するのもありだと多くの人が気づいたのです。
家族連れやカップルなどの利用増加もあって、ビジネスホテル側も新たな客層獲得に向けたサービスを提供するようになってきているので、いよいよ客を呼びこむわけです。
ビジネスホテルの大盛況にさらに拍車をかけているのはもちろん外国人観光客です。訪日外客数は非常に増加しています。日本観光はもはやブームになっていて、富裕層だけに留まらず、多くの中間層が日本を訪れています。その際に宿泊先として選ばれるのは安価なビジネスホテルということになります。
国内外の観光客が殺到しているのですから、混雑するのは極めて当然です。急に出張が決まって、あわてて予約をしようとしても、大都市は観光客で既に満室、というのが現在のビジネスホテルの現状でしょう。
宿泊料も不思議なことになっています。業界大手のアパホテルなどは、同じ部屋でも、7000円で泊まれる場合もあれば、平日1万円以上のこともあるのです。土日、観光シーズンには更に値段が上がります。こうした値段の差はどこから出てくるのでしょうか?これもビジネスマンにとっては、予約と共に重要な部分です。
アパホテルの場合では、各店舗の支配人に値段設定の大きな権限が与えられているので、需要、近隣ホテルの状況を見ながら、値段を細かく上げ下げすることができるのです。
外国人旅行客は日本のカレンダーは意味がないことが多いので、平日であっても、外国からの集客が見込めるなら強気の値段設定をするのです。これも注意が必要なわけです。肝心のビジネスマンに利用しにくいこの状況は、本来、好ましいものではないはずです。